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送信機リモコンの改修について

送信所は山の上にあり、通常は無人の状態ですので、送信機のON/OFFや、送信状態の確認などのため、監視装置(リモコン)が付いています。

↓これが大分東局用のリモコンの画面です。

Dsc_0610_r

左上部に「大分東送信所」と記載されているのが判るかと思います。

今回の引っ越しは、送信機を移設するのではなく、”古い送信機を更新”しましたので、新しい送信機になっています。

送信機が新しくなると、監視項目が変わったり、リモコンで制御できるスイッチが変わったりといろいろ設定を変えないといけません。

通常、リモコンの更新というと、”リモコン装置本体を更新”するものです。

しかし、現在使っているリモコンは、エフエム大分の本社が東春日町から府内町に引っ越したい時に更新した”新しい設備”でしたので、さすがにこれを更新するのはもったいないですよね。

そこで今回は、ハードウェアは更新せず、ソフトの改修のみで済ませています。

大分東送信所を制御するアプリを開発したということになります。

本社(演奏所の対応)

送信所を移転は、”送信所を動かす”という点でも大変なのですが、移転に伴いいろいろな付帯作業が発生します。

本日は、エフエム大分の本社側(演奏所)の対応をお伝えします。

エフエム大分の番組やCMは、本社の演奏所から送出されますから、これを放送するために送信所まで”音”を伝送しています。

FM大分では、光専用線を利用したIP伝送(デジタル回線)を利用しています。

十文字原で送信していた時は、この回線が十文字原送信所と演奏所の間で結ばれていました。

これを大分東送信所との接続に変更しなければいけないわけです。

光専用線を一晩で切り替えることはできませんから、あらかじめ大分東送信所に回線を新設しておいて、十文字と大分東両方に音を送れる状態にしておきます。

要するに大分東向けの回線を追加するわけです。

写真は、移転終了後のIP回線の端末(ONU)とルーターです。

Dsc_0611_r

2段になっているのは、万が一回線が切れた時のためのバックアップ(予備回線)があるからです。

そしてこちらが移転前、十文字原向けに使っていたONUです。

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撤去されたので、床に転がっています。

深夜の切り替え作業で時間がなく、とりあえず外したというところですね。

このように書くと、回線の切り替えは簡単なようですが、

実際には、音をデジタル信号に変換するためのコーディックや
送信機を演奏所でコントロールするためのリモコンの接続など作業はたくさんありました。

また、同時に2箇所に音を送るわけですから、機材も通常の2倍用意されていました。

次回は、リモコンの改修をご紹介しましょう。

鶴見岳固定局の紹介

放送局の親局というのは、各中継局の”親”の意味がありますので、”子”にあたる中継局に放送を届ける使命を持っています。

ほとんどの中継局は、エフエム大分旧親局の「十文字原送信所」の電波も、「大分東送信所」の電波も受信できるので、親局の移転に伴う作業はありませんでした。

しかし、玖珠中継局と日田中継局に放送を中継する鶴見岳固定局は親局が大分東局に移転すると、放送波を受信できないことが判りました。

しくみは次のような感じです。(概略です)

Photo_2 旧親局(十文字原)から玖珠・日田の両中継局には直接電波が届かないため

鶴見岳に中継専用の局(固定局と言います)を設置し中継を行っていました。

十文字原からの放送波を鶴見岳固定局で一旦受信、これを玖珠・日田中継局に向けて再送信します。
玖珠・日田中継局では、固定局からの電波を受信して再送信するわけです。

ところが今回の親局移転によって、親局が十文字から大分東に移るので、鶴見岳で放送波を受信できなくなることが判りました。

そこで、大分東局の放送を受信するために新たに仮設アンテナを増設します。(下図)

2これで、大分東局が開局すれば受信アンテナを切り替えるだけで玖珠・日田中継局の放送が継続できます。

ただ、アンテナを切り替えるタイミングは、大分東局が移転する、その瞬間でなければなりません。

ですから、受信アンテナ切り替え作業員は、移転開局の31日の昼間、ロープウェイの最終便で鶴見岳の山頂に登り、そこで、深夜の切り替えの瞬間まで待機します。

31日の深夜24時に十文字原の電波が止まったのを確認して、下図のような状態に切り替えました。

3 これで、大分東局の電波を鶴見岳固定局で受信し、玖珠・日田中継局の放送が継続されています。

切替が終わった作業員はどうしたのでしょうか?

深夜ですからロープウェイは止まっているので、帰るに帰れませんよね。

なんと、そのまま夜を明かして、ロープウェイの始発に乗って下山したんですよ。

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別府市鶴見岳山頂にある鶴見岳固定局です。

この鉄塔に受信アンテナを増設します。

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まずは、アンテナを組み立てます。

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アンテナを取り付ける位置に持ち上げます。

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実際の取り付け作業は二人の作業員で行いました。

こうして取り付けられた新受信アンテナを使って、玖珠中継局と日田中継局の放送が継続されています。